令和7年2月定例会 一般質問

静岡県の公式ホームページから動画を視聴できます。

https://shizuoka-pref.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1396

1 医療提供体制の確保に向けた公立病院の役割について

【質問全文】

菊川市が、浜松市出身の作家三戸岡道夫さんと掛川市出身の作家堀内永人さんに関口隆吉氏の伝記の執筆を依頼し、平成21年、お二人の共著『初代静岡県知事 関口隆吉の一生』が静岡新聞社から出版されました。この本によると、関口氏は静岡県知事となる以前、明治16年に明治政府から地方巡察使を命ぜられ、東京府、神奈川県、静岡県など1府8県を巡察しております。その報告書は多項目にわたり詳細に分析されているとのことですが、静岡の医学については「他県に比べて病院数は多いが、医学校はないから設置の必要がある」と記されております。爾来140年、内容は変われど、本県にとって地域医療は連綿と続く課題であり続けたのであろうと推察します。

全病院の病床数のうち公立病院が占める割合は、全国が14.6%であるのに対し、本県は26.2%と、およそ2倍となっており、本県の医療提供体制の確保において、公立病院が果たす役割は大きなものとなっております。私の地元中東遠地域も民間の総合病院がないため、地域医療は市・町立の公立病院が主に担っていますが、公立病院は医師等の人材不足と物価高や人件費の上昇などにより極めて厳しい経営状況にあります。全国自治体病院協議会が会員病院を対象に実施した緊急調査では、2024年度上半期における会員病院の医業損益の合計は569億円の赤字で、前年同期の394億円の赤字と比較して、1.4倍に増える見込みであるという結果が出ています。

現在、県では地域医療構想に基づく取組を行っていますが、中東遠圏域では、磐田市立総合病院や中東遠総合医療センターが高度急性期機能を担い、その他の公立病院は後方支援病院として位置付けられるなど、各公立病院間の機能分化と連携が県内でも進んでいる地域と言われています。それにも関わらず、物価高騰等の影響から、圏域内の公立病院の赤字は増加し自治体の財政を圧迫しています。令和5年度はすべての病院が赤字決算となり、自治体によっては市町からの繰出金が一般会計予算の6%にも上っており、県予算に例えると、毎年800億円を病院会計に繰出しているということになります。中東遠の地域医療は市民の税金で成り立っていると言っても過言ではありません。市民の命と健康を守るために税金を投入することは当然のことであると言っても、それにも限度があり他の事業への影響も見られます。

地域医療構想の期限である2025年が到来し、現在国では新たな地域医療構想の策定に向けて検討していると聞きますが、公立病院が各圏域において、引き続き医療提供体制確保のための中核的役割を担っていくものと考えており、そのためには県が設置市町と連携しながら積極的に関与していくことが必要であると考えます。

そこで、今後も公立病院がそれぞれの圏域において機能を発揮できるよう、特に経営難に対し、県はどのように持続可能な医療提供体制を確保していくのか伺います。

【答弁内容】

本県の医療提供体制においては、救急医療や周産期医療など高度医療の多くを、各市町の公立病院に依拠しているのが実態であり、今後疾病構造の大きな変化が見込まれる中、その機能、役割については、見直しを迫られていくものと認識しております。

このため、県といたしましては、昨年度から各圏域の地域医療構想調整会議等において、診療科別の入院・手術件数等のデータ分析結果などを示し、公立病院を含め、病院間の役割分担や連携を中心に、圏域の医療提供体制の在り方の議論を進めております。今後は、新たな地域医療構想に関する国での検討状況も踏まえ議論を深めてまいります。

また、厳しさを増す昨今の公立病院の経営課題に対しましては、病院設置自治体が昨年度までに策定した、「公立病院経営強化プラン」に基づく取組を進めていくよう助言するとともに、先議いただきました今年度2月補正予算におきまして、光熱費や食材料費の高騰に係る支援金を、公立病院も含め交付し支援することとしております。

あわせて、国に対しまして、物価高騰・賃金アップに見合う診療報酬改定や、自治体が公立病院に資金を繰り出す場合の地方財政措置の充実などを要望してまいります。

【要望】

公立病院の役割分担と連携を進めていくということだが、地元市民にとっては非常に関心の高い問題であるので、市町としっかり協議をして進めていただきたい。

また、全国知事会が昨年11月に「公立病院の経営安定化支援」として「すべての地域において必要な医療を安定的に提供できるよう、繰出金に対する地方財政措置を更に拡充すること」と自民党、公明党に要請活動を行ったが、県として国に対して積極的に要請されるよう強く要望します。

2 消防力の強化について

【質問全文】

平成25年に「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」が公布・施行されました。

同法では、地域防災力の充実強化を地方公共団体の責務としています。中でも消防団は地域防災力の中核として代替性のない存在と位置付け、消防団の抜本的な強化を図るとし、公務員と消防団員の兼職、事業者や大学等の協力、消防団員の処遇の改善、消防団の装備の充実等が規定されており、これに基づき、本県でも消防団の充実強化が図られています。

本県では、消防団協力事業所表示制度に基づく認定促進や事業税の減税を行って、消防団への加入促進を図っていますが、令和5年の県下消防団の充足率は80.1%であり、消防団員の減少傾向に歯止めがかかっておりません。

こうした状況の下、将来にわたって消防力を維持・強化していくには消防本部、消防署といった常備消防を強化することが必要であることから、県は、消防本部や通信指令業務の集中化により生み出された人員を、消防署所の救急隊員などの増員や専任化へと振り向けることにより、第一線の消防力を強化するとともに、広域的な通信指令体制整備により的確な救急搬送・災害対応の実現を目的とし、消防救急の広域化を推進しています。平成19年度に策定した最初の「静岡県消防救急広域化推進計画」では3圏域案を示し、平成22年度には8消防本部6指令に広域化の目標を変更しました。現在、同計画の見直しが進められておりますが、8消防本部6指令という枠組みを維持するとともに、地域の核となって消防の広域化を主導する中心消防本部を新たに設定するとしています。この枠組は、県と市町が協議した結果であり、目標に向けての主体は市町でありますが、私は、県の指導も必要と考えています。

そこで、新たな計画における広域化の枠組みの考え方と中心消防本部の創設のねらい並びに広域化に向けての県の役割について伺います。

また、昨年11月には、緊急消防援助隊関東ブロック合同訓練が本県を会場に実施されました。県内消防力の維持・強化に加え、県外消防による広域的な応援体制となる緊急消防援助隊との連携強化は、県内消防による相互応援では対処しきれない災害対応において、非常に重要となると考えられますが、緊急消防援助隊の受援体制の状況について併せて伺います。

【答弁内容】

現在の消防救急広域化推進計画の広域化の枠組みは、管轄人口10万人未満の小規模消防本部の解消を図ることを念頭に、市町間の協議を踏まえ、決定されたものであります。現行の目標の実現が道半ばであることから、新たな計画においても、8消防本部6指令を維持することとしているところであります。

新たに設定する「中心消防本部」には、広域化に関する論点整理、消防本部間や関係市町間での合意形成など、地域において主導的な役割を果たしていただくことを期待しております。

県といたしましては、広域化の必要性やメリットについて、広く県民の皆様や関係者に情報提供や啓発活動を行うとともに、消防本部や関係市町で構成される協議会等にオブザーバーとして参画し、課題解決に向けた助言を行うなど、広域化の機運の醸成を図ってまいります。

また、緊急消防援助隊の受援体制につきましては、国の計画において、事前に応援都道府県が割り当てられており、その中で、南海トラフ地震が発生した場合、重点受援県である本県には、青森、岩手、山形、埼玉の4県大隊が、原則、即時応援に入る計画となっており、県内消防による相互応援では対処しきれない災害に備え、引き続き、合同訓練などにより、関係機関との連携を図り、受援体制の強化に努めてまいります。

【意見】

私が常備消防の強化を訴える理由は2つあります。ひとつは、消防団員のほとんどを被用者が占めている現状では、昼間、火災が発生した時に団員が集まらずにポンプ車を出せないという現象も生まれている。まず、そういう点で常備消防の強化が必要と考えます。

もう一つは、大規模災害への対応です。地震予知連絡会の山岡耕春会長が「南海トラフ地震」という岩波新書の中で、東日本大震災と南海トラフ地震の社会的条件の違いとして、東日本大震災で被害を受けた4県の人口は約980万人、一方南海トラフ地震で津波被害を受ける可能性がある1府11県の人口は約3,500万人で、被害を受ける都道府県と被害を受けない都道府県の人口比は、東日本大震災が1対12であるのに対し、南海トラフ地震では2対5になると述べています。先週、我が会派の和田議員が一般質問の中で、南海トラフ地震では東日本大震災のようには自衛隊員は派遣されないと指摘されましたが、警察や消防でさえ、十分に派遣されるかわかりませんので、常備消防の強化が必要と考えます。

3 企業局における市町と連携した工業用地開発の推進について

【質問全文】

令和7年元日、武藤容治経済産業大臣が表明した年頭所感によりますと、産業政策については、数年間にわたるDX、GXなどの成長分野への積極的な国内投資が芽吹き、明るい兆しが現れ始めており、今こそ、長きにわたるコストカット型経済から、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」への転換を確実なものとするべきである。そのために、官民が連携して行う大型投資による経済効果は、大企業にとどまらず、地元の中小企業をはじめ、その地域に眠る投資意欲を覚醒させ、地方創生の起爆剤となる効果があるとしております。

また、一般財団法人日本立地センターが昨年夏に行った調査でも、事業拠点の新設や増設、移転などの立地計画があると回答した企業の割合は、前年度比ではやや減少したものの、コロナ禍後の高水準を維持しており、サプライチェーンの強化などに伴う旺盛な立地意欲が続いていると分析しています。

県内経済の統計を見ても、直近の製造品出荷額等は、電気機械器具製造業や化学工業、食料品製造業などの健闘により大幅な伸びを見せており、ほぼリーマンショック以前の水準に戻るなど、本県のものづくり力の回復も、数字に表れてきた印象があります。

私は、こうした景気回復の動きをきっちりと地域に落とし込み、産業基盤の強靭化と地域の活性化につなげていくとともに、市町が目指す“まちづくり”を実現するため、県内すなわち県と市町が一丸となって、企業の投資意欲を受け止める工業用地の開発に、積極的に取り組む必要があると考えております。折しも、次期総合計画の策定に向け、鈴木知事は「幸福度日本一の静岡県」の実現を目指し、「新たな産業活力の創造」を重点取組の一つに位置付ける方向で調整していると伺っており、来年度から企業の県内投資促進にアクセルを踏み込むものと期待しています。

県で工業用地造成の一翼を担う企業局は、これまでに多くの用地開発を手掛け、各地で市町と協調しながら事業に取り組んでいると承知しておりますが、今後も市町の要請に応え、切れ目なく地域の工業集積促進に貢献してもらいたいと考えております。

そこで、企業局においては、本県を支えてきた「ものづくり産業」の足腰を強化し、一層の産業集積を促進するため、今後、市町と連携した工業用地の開発に、どのように取り組んでいくのか伺います。

【答弁内容】

企業の投資を取り込み、地域経済の活性化に直結する工業用地造成に向け、企業局では、まちづくりを担う市町と協力して候補地調査や地元調整等を行い、県内各地で事業に取り組んでおります。特に近年は、調査費の支援や技術的助言等により、連携の強化を図っております。

こうした取組の結果、今年度、湖西市内山地区で新規造成事業を開始しており、引き続き来年度も新たな地区の開発に取り組んでまいります。具体的には藤枝市内の、東名・新東名ICに近接した内谷地区約5.4haで、現在、早期着手を目指し、市と詰めの作業を進めております。

さらに、これらに続く案件の掘り起こしに向け、県内各地で調査活動を展開してまいります。来年度は、裾野市、長泉町、湖西市の3市町が開発可能性調査の実施を表明しており、補助事業で支援するとともに、他の市町に対してもトップセールスやDXによる技術支援等を通じて働き掛けを行い、より多くの地区での調査実施を目指してまいります。

企業局といたしましては、工業用地の造成拡大がものづくりの集積を加速し、本県に新たな産業活力がもたらされるよう、今後も市町と密接に連携し、県内各地で工業用地開発に向けた取組を進めてまいります。

4 ウエルビーイングに関する市町との連携について

【質問全文】

ウエルビーイングに関する市町との連携について伺います。

現在、国際社会はSDGsを共通目標とし、誰一人取り残さない社会のための17の目標を掲げています。しかしSDGsが掲げる未来は

2030年までで、次の目標として、人々の主観的なウエルビーイングを重視した新たな国際目標をつくっていこうとする動きもあります。

我が国においても、2024年のいわゆる骨太方針において「賃金と物価の好循環や成長と分配の好循環の拡大・定着を通じて、希望あふれるウエルビーイングの高い社会の実現を目指す」との表記も見られます。

県は、現在作成中の新たな総合計画に県民一人ひとりの幸福実感を重視するウエルビーイングの視点を県政運営全体に共通する考えとして取り入れて、行政だけでなく県民、企業、団体等がオール静岡で「幸福度日本一」を目指すとしています。個人的、主観的かつ多様なものである幸福度を自治体が指標として取り入れることについては疑問も残るところですが、客観指標と主観指標が乖離しているケースも考えられるため、両者を併せて分析していくことは意味があることだと考えます。

県は、18歳以上の県民5,000人を対象に「幸福度に関する県民意識調査」を実施し、年代別や地域別など様々な角度から分析した上で、幸福度を上げるべく次の政策を展開していくとしていますが、県民の幸福度を上げるのは県の政策だけでできるものではなく、市町との連携、むしろ市町が主体となって実施すべき政策が多くあります。県が県民の主観的な思いを分析した結果を市町が受入れ、県と一緒になって取り組んでいくことがポイントになると思われます。

すでにウエルビーイングの視点に取り組んでいる市もありますが、県が多くの市町に先行して総合計画にウエルビーイングの視点を取り入れるには、市町とのウエルビーイングについての考え方の共有や、政策に関する連携が必要と思うが県の所見を伺います。

【答弁内容】

県民の皆様のウエルビーイングの向上を図り、「幸福度日本一の静岡県」を実現するためには、様々な主体と連携することが重要であります。議員御指摘のとおり、ウエルビーイングの考え方や取組について、市町とも十分に情報を共有し、連携していく考えであります。

このため、まずは、昨年12月の市長会議・町長会議において、市町長の皆様に、次期総合計画の概要とともに、ウエルビーイングの考え方や政策への反映方法などを、直接御説明したところであります。

また、県民の幸福実感と本県の取組との関連性などを分析し、政策を充実・強化するため、現在、幸福実感に関するアンケート調査を実施しております。この結果についても、年代別や性別、地域別など、多角的に分析・把握した上で、市町に共有いたします。

その上で、今後、特に、地域ごとに特徴の見られた分野については、関係市町とも連携しながら、地域的背景、政策と実感との関係などについて検討するなど、効果的な取組を目指してまいります。

県といたしましては、市町をはじめ、様々な主体と力を合わせ、県民の皆様がより幸せを実感できる静岡県づくりを推進してまいります。

【要望】

ウエルビーイングに限らず、知事は浜松市の成功事例を全県に広げていくと言われるが、本来市と県の役割は異なります。むしろ二重行政にならないようはっきり役割を区分しなければいけないと思っていますので、いかに市町と問題意識を共有し、政策において連携を取っていくかは大変重要なポイントですので、対応をよろしくお願いします。

5 中期財政計画に定める目標の考え方について

【質問全文】

県が新たに策定した中期財政計画については、今定例会において、既に複数の議員から質問がなされておりますが、私は、この計画に定められた4つの目標について取り上げたいと思います。

中期財政計画では、国の基準に基づく指標が2つ、県独自の指標が2つ設定されています。具体的には、資産と負債の状況を示すストックの指標として将来負担比率と通常債残高が、収支を示すフローの指標は、実質公債費比率とプライマリーバランスが、それぞれ目標として掲げられています。県は、これら4つの中長期目標の達成を図り、将来にわたって安定的な財政運営を目指すとしています。しかし、財政の健全化を実現するためには、今回掲げられた4つの目標が、そもそも妥当なものであるかを考える必要があります。

4つの指標に関しては、それぞれ試算と改革取組後の数値が示されており、通常債残高とプライマリーバランスについては改革取組後の数値が目標値になっているものの、実質公債費比率と将来負担比率については取組後の数値が目標値となっていません。

一方で、目標設定が高ければ高いほど、実現の可能性は乏しいものとなります。高すぎる目標の達成に固執すれば、本来提供すべき行政サービスの水準を大幅に低下させるおそれがあり、行政の存在意義そのものを問われることになりかねません。

そこで、中期財政計画における目標の設定について、その考え方を県に伺います。

【答弁内容】

財政運営の目標については、これまで、県の総合計画に、ストックとフローの両面から管理する4つの指標を設定してまいりましたが、健全な財政運営を図る上で、一定の役割を果たしてきたと考えております。

新たな中期財政計画においても、引き続き、財政運営を複数の観点から管理してまいります。国が定める実質公債費比率、将来負担比率のほか、県独自の指標として、ストック管理を厳格化する観点から、県債残高を継続して目標にいたします。加えて、年度ごとの財政状況を管理する観点から、税収等の財源で必要な行政サービスを賄えているかを確認する、「プライマリーバランス」を新たに設定いたします。

目標の水準については、実質公債費比率と将来負担比率は、引き続き、国が設定する健全化の水準を確保するため、国の基準といたします。県債残高は、将来世代の負担を抑制する観点から、財政規模に対する割合を全国平均以下にすることを目指し、「1,000億円程度削減」といたします。また、プライマリーバランスについても、計画期間中の達成ではなく「毎年度黒字化」という高い目標を設定したところであります。

これらの目標設定を踏まえ、中期財政計画に定める取組を確実に実施していくことで、行政サービスの水準と財政規律のバランスのとれた財政運営を実現してまいります。

【要望】

中期財政計画では4つの指標で目標値を定めていますが、通常債残高の1,000億円削減が最もわかりやすい指標として出ています。手法はいろいろ書かれておりますが、主には「大型プロジェクトの見直し」と「公共施設の統廃合等、投資的経費の適正化」を実施して県債の発行を抑えていく、というものと思います。「大型プロジェクトの見直し」はともかく、「投資的経費の適正化」については、災害への備えや生活道路の整備、県立学校の老朽化対策など、県民の生活に直結するものですので、これは削減すれば良いというものではありません。

負債の負担感は財政規模によって違うので、私は、目標値には財政規模を反映させた指標の設定が適切だと思います。そういう意味では、実質公債費比率を許可基準の18%に置くのではなく、適切な数値を設定すべきであったと考えます。知事が浜松市長のとき作られた浜松市の第1期中期財政計画では実質公債費比率13%以下という具体的な目標数値をあげて、結果10.2%まで下げたと著書の中にも書かれています。

財政の健全化は重要な課題であり、取り組まなければならないと理解しているが、県民生活の安全を脅かしたり、県民に不便を強いるような改革にならないように強く要望します。

6 三次元点群データを活用した災害対策について

【質問全文】

昨年1月に発生した能登半島地震では、人口減少、超少子高齢化に加え、「地域の守り手」となる建設業に関わる技術者の不足が、震災の復旧・復興が進まない原因の一つであると考えております。これは、本県においても例外ではなく、能登半島と類似する伊豆半島においても、ひとたび大きな地震が発生すると、同様な状況に陥る可能性があり、能登半島地震で明らかになった課題を踏まえ、本県においても、大規模災害時の迅速な復旧に向け、技術支援の体制を整える必要があります。

現在、県では、能登半島で被災した自治体に対し、技術職員を派遣し、災害復旧を支援しております。また、同様に県内で大規模災害が発生した場合においても、被災地に対し、他の土木事務所から技術職員の応援派遣を行い、支援業務に従事しております。しかし、県内の土木事務所や建設コンサルタントでは技術職員が不足しており、通常業務に加え、復旧業務を実施するためには、より効率的かつ効果的に業務を進めるため、デジタル技術を活用する必要があると考えます。

昨年12月に我が会派から知事宛てに提出した当初予算要望においても、能登半島地震を踏まえ、3次元点群データを活用した防災対策の推進を要望したところであります。

建設に関わる設計技術者の不足は、復旧計画の策定に時間がかかることに直結することから、大規模に被害を受けた場合に備え、技術者の不足を補う方策を検討しておかなければならず、日々進化するデジタル技術の活用や、県が取得した3次元点群データを利用し、災害発生時の迅速な復旧への支援ができないものかと考えています。

そこで、3次元点群データを活用した災害対策について、県の取組を伺います。

【答弁内容】

三次元点群データは、レーザー機器により取得した、地形や建物などの精緻な三次元測量データであります。令和元年度からデータ取得を開始し、今年度末に県内全ての地域で取得が完了いたします。

本県では、このデータを全国に先駆けてオープンデータ化することで、官民の幅広い分野での活用が進み、既に多くの知見が蓄積をされております。また、災害時においては、被災前後の地形データ等を比較することで、迅速な被災状況の把握や、効率的な設計等が可能となっております。

県では、令和3年7月の熱海市の土石流災害において、点群データを活用したオンラインによる被災状況の分析を行いました。また、昨年1月の能登半島地震においては、被災前の点群データを石川県の了承のもと、本県と東京都が連携してインターネット上でいち早く公開し、これにより、災害復旧の計画、設計で活用されました。

一方で、発災時は、現地で十分な技術者を確保することが困難であり、インフラの早期復旧には、更なる効果的な支援が必要となっております。

こうした状況を踏まえ、来年度、新たな取組にチャレンジをいたします。具体的には、被災地に職員を派遣しなくても、遠隔地から、リモートで災害復旧を支援できる仕組みづくりを進めてまいります。国土交通省と共に関係都県等で検討を進め、全国の技術者がインターネットを通じ、点群データを利用した復旧計画、設計等ができるシステムを構築する考えであり、関係経費を来年度当初予算案に盛り込んでおります。

まずは、県内の災害復旧から始め、関係都県との取組へと発展させ、全国における災害復旧支援の標準モデルとなるよう、スピード感を持って取り組んでまいります。

災害は、頻発化・激甚化するとともに、広域化しております。災害時の遠隔地からの支援に、本県が先頭に立って取り組むことで、県民の皆様の安全・安心の確保に全力を挙げてまいります。

【要望】

本県が保有している3次元点群データは大切な財産である。これを災害時に利用することは画期的な手法と言えるので、ぜひ積極的に進めていただきたい。また、3次元点群データの整備に当たっては相当な費用を投資しているとも聞いている。災害対策以外にも様々な利活用を進めていただくことを要望します。

7 県警察における交通死亡事故の抑止対策について

【質問全文】

察庁によると昨年の全国の交通事故死者数は、2,663人で、前年より15人少なく、2年ぶりに減少しており、統計が残る昭和23年以降で3番目に少なかったと伺っています。

しかし、本県では死者数が88人で、前年より18人増え、4年ぶりに増加に転じており、特に昨年11月と12月には、交通死亡事故多発警報が2か月連続で発令され、多発警報期間中にもかかわらず6人の方の尊い命が失われるなど、県下の交通情勢は異常な事態で極めて憂慮すべき状況にあります。第11次静岡県交通安全計画では、本年末までに年間交通事故死者数80人以下、発生件数15,000件以下を目標としており、目標達成に向け、交通事故の要因、特徴等を詳細に分析し、交通事故の実態を踏まえた対策を一層推進していく必要があると考えます。

なお、昨年12月の本会議において本部長から、交通死亡事故多発警報の発令に当たり、交通事故抑止の主なキーワードを具体的に挙げた上で、広報啓発活動などを強力に推進していくと発言があったとおり、具体的かつ分かりやすい情報発信が大切であると考えます。

こうした中、上半期の取組が年間目標の達成のカギを握るところ、本年1月の交通事故死者数が12人と前年を7人上回るとともに昨年11月から3か月続けて大幅に増加しており、まさに緊急事態と言えます。

そこで、昨年から今年にかけて多発している県内の交通死亡事故の分析結果を踏まえ、広報啓発活動を含めた、交通死亡事故の抑止に関する県警察の具体的な取組について本部長の所見を伺います。

【答弁内容】

昨年の県内における交通死亡事故を分析しますと、65歳以上の高齢者が全死者の6割以上、自転車事故の死者が前年より倍増、児童や高校生の死亡事故も発生、ミニバイクによる事故の死者が前年より4倍増加しこのうち7割以上が高齢者、といった特徴があります。また、本年1月の死者12人中9人が高齢者であり、このうち4人は夕暮れから夜間の時間帯にドライバーから見て右から左へ横断する際に遭っている状況です。

そこで県警察においては、重点目標である「高齢者とこどもの交通事故防止対策」に資する各種取組を展開するとともに、交通死亡事故の発生実態に即した活動を推進しているところであります。具体的には、高齢歩行者の事故防止対策では、ドライバーは「早めのライト点灯・ハイビームの活用」に加えて、右からの横断歩行者に特に注意すること。歩行者は「夕暮れ・夜間の反射材の着用と横断歩道の遵守」に加えて、特に左からの車に注意することについて、あらゆる機会を通じて協力に呼び掛けています。自転車やミニバイクの事故防止対策では、自転車街頭指導の強化や高校生自転車マナーアップ校との更なる連携、ミニバイクに対する交通指導取締りの強化や高齢者交通安全教室における安全運転の呼びかけ等を実施しております。

交通事故は県民の誰もが当事者となり得る身近な問題であり、今後も悲惨な事故を減らすための取組を一層強化してまいります。

目次