県議会12月定例会は一般会計補正予算案や知事などの給料削減・期末手当引上げ凍結に関する特例条例案など59議案を可決・同意して12月19日に閉会しました。
一般会計補正予算案は、台風15号による被災者支援などに2億800万円、人事委員会の勧告に基づく給与改定など人件費に90億1,200万円、国の総合経済対策に呼応し、物価高への対応に60億5,200万円、暮らしの安定に109億9,400万円など、総額245億4,700万円の増額となりました。
【一般会計補正予算】
一般会計補正予算の主な内容は次のとおりです。
〇台風15号による被害への対応
台風15号への対応としては、9月補正で被災者支援事業や農業用施設等の再建費用に16億900万円を補正しましたが、今回は応急仮設住宅等に入居する方に必要な家電(エアコン、冷蔵庫、洗濯機、テレビ各1点ずつ)を貸与し、被災後の生活再建を支援する費用に1,000万円、被災した中小企業・小規模事業者の建物修繕費や機械設備、業務用車両の修理及び購入費等に1億9,800万円を増額しました。1日も早い復興を祈念いたします。
〇総合経済対策
「『強い経済』を実現する総合経済対策」を盛り込んだ国の補正予算が成立したことを受け、県としても、これに呼応して早期に事業効果を発揮できるよう追加補正したものです。主な事業は次のとおりです。
| ①物価高への対応 | <福祉施設・保育所及び医療機関等物価高騰対策支援関連事業> 29億4,830万円 医療、介護、障害、児童福祉施設、私立学校等の事業者に対し支援金を支給し、事業者の負担軽減を図るものです。 <農業・畜産業・漁業者等物価高騰対策支援関連事業> 11億130万円 農業者や漁業者等の燃油、飼料購入費等の支援を行い、事業者の負担軽減を図るものです。 <運輸業物価高騰緊急対策事業費> 7億5,710万円 地域公共交通・貨物自動車運送事業者の車両維持経費等の支援を行うものであり、県内地域公共交通の運行継続や物流の安定化を図るものです。 <特別高圧電力等価格高騰対策関連事業> 12億2,800万円 特別高圧電力及びLPガスの料金に対する支援を行うものであり、県民の暮らしや事業者の事業活動に大きな影響を与える光熱費の負担軽減を図るものです。LPガスは、令和8年1月~3月利用分として1戸当たり1,000円値引きます。 |
| ②くらしの安定 | <医療・介護分野賃上げ等支援関連事業>及び<子ども・子育て分野賃上げ等支援関連事業> 97億8,880万円 医療従事者、介護・障害福祉施設職員、児童養護施設職員、保育士等の処遇改善を支援するものであり、賃上げに向けた環境整備を推進するものです。 <介護・障害福祉等サービス継続支援関連事業> 10億2,560万円 介護・障害福祉事業所等の円滑なサービス提供体制の確保のため、必要なサービスを円滑に継続できるよう、設備・備品の購入費用等を支援するものです。 <ツキノワグマ緊急対策事業費> 330万円 全国的に問題となっているクマの市街地への出没や人身被害等に備えるため、市町が行うツキノワグマ対策に係る経費等を支援するものです。 |
〇人件費 90億1,200万円
| ①人事委員会の勧告に基づく給与改定 90億2,600万円 人事委員会の勧告に基づき、民間給与との格差を解消するため職員の給与を引上げたもので、給料月額の3.01%、ボーナスを4.60月から4.65月に0.05月分、教職員の処遇改善を図るため教職員調整額を4%から5%にそれぞれ増額したものです。 |
| ②財政状況を踏まえた給与削減 ▲1,400万円 本県の厳しい財政状況を踏まえ、特別職等の職員の給与を削減したもので、知事の給料▲10%、副知事及び教育長の給料▲7%、本庁課長級以上の管理職手当▲5%等の減額を行ったものです。 |
【すべての議案に対する賛成討論】
一部の無所属議員が、本庁課長級以上の管理職手当を5%削減した補正予算案に反対討論を行ったため、私は会派を代表し、今定例会に知事から提出されたすべての議案に賛成し、賛成討論を行いました。
特別職はともかく、管理職といえども一般職の手当を削減することには抵抗があります。人件費は行政運営を支える根幹であり、財政健全化の名の下に簡単に手を付けるべき対象ではありません。本来であれば、事業の選択と集中や見直しを十分に行ったうえで、最後に検討されるべきものでありますが、本県の財政状況を踏まえ、今回については財政健全化に向けた苦渋の判断として受け止めたものです。
県財政が危機宣言レベルとは
静岡県の財政状況は、歳出拡大に税収増が追いつかず、赤字地方債発行に頼る財政運営が続いています。地方自治体には資金を借入れる(地方債の発行)ことが認められていますが、国と異なり原則、建設公債(物を作るための借入)に限られています。そこには単なる借金と違う2つの役割があります。ひとつは世代間の負担の公平化です。道路や学校といった、今後何十年と使われる建造物については、建設時の税収だけに頼るのではなく、それを使用する将来の市民にも負担してもらうという役割です。2つ目は国による支援が受けられることです。借入によって支援率は異なりますが、借入額の償還には国が地方交付税で支援しているため、実質的には後年度に補助金を受けているのと同じ効果があります。このため、地方自治体は物を作るために借入を行っているのですが、例外的に資金不足を補うための借入も認められています。これが赤字地方債で、上記の地方債の2つの役割から外れた単なる借金です。静岡県は資金不足を補うために赤字地方債を発行し続け、その残高が1,300億円余りになってしまいました。この状態が「財政危機宣言レベル」と言われるもので、県は赤字地方債に頼らない財政運営を目指すため、歳出の適正化を図ることとしました。
サマーレビュー(事務事業の見直し)などを行ない、財源不足額の解消に努めるとともに、特別職の給料や管理職手当の削減を行いましたが、令和8年度も赤字地方債を発行せざるを得ない状態が続くと見込まれるため、県は財政健全化の筋道を示す中期財政計画の工程表、及び人口動態の変化に対応した定員適正化計画を今年度末までに作成するとしています。
歳出の適正化により予算が削減される事業が出てくることは致し方ないとしても、皆様に特別な負担を強いるようなことはしません。ご理解をお願いいたします。
給与等の削減内容 影響額▲6,000万円
| ①特別職の給与削減 | 影響額▲900万円 ◦知事 給料の10%減(令和8年1月~令和9年3月) 期末手当0.05月分の引上げ凍結(令和7年度及び令和8年度) ◦副知事・教育長 給料の7%減(令和8年1月~令和9年3月) 期末手当0.05月分の引上げ凍結(令和7年度及び令和8年度) ◦その他の常勤の特別職 給料の5%減(令和8年1月~令和9年3月) |
| ②本庁課長級以上の職員 | 管理職手当の5%減 影響額 ▲4,200万円 |
| ③県議会議員 | 期末手当0.05月分の引上げ凍結(令和7年度及び令和8年度) 影響額 ▲900万円 |
