令和6年9月定例会は、37億2千万円を追加する一般会計補正予算など23議案を可決し閉会しました。
また、知事は副知事人事案の提出を考えていましたが、議会への説明の前にマスコミで報道され、県の情報管理の在り方が問題視され提出を見送りました。副知事は、知事が議会の同意を得て選任することになっています。選任は知事が行いますが、議会の同意を必要とすることから、上程前に議会側に説明するなど丁寧に進めるのが一般的です。これにより知事と議会側に溝ができるということはないでしょうが、情報管理の徹底と早いタイミングでの議会との情報共有を図って欲しいものです。
〇 一般会計補正予算
一般会計の補正は、新県立中央図書館の整備事業費、食肉センター再編整備事業費の増額などです。令和9年度末の開館をめざし整備を進めている新県立中央図書館の事業費を192億円と見込んでいましたが、軟弱地盤対策の追加工事や物価高騰等の状況変化により1.55倍の298億円に膨らむことがわかりました。これにより開館も令和10年度夏ごろになります。今回の補正予算には実施設計費など8億2,480万円を追加するとともに、建築工事費など267億9,800万円の債務負担行為(※)を設定しました。
また、菊川市赤土の食肉センター再編整備事業では、調整池設置工事において、地盤が軟弱なため調整池の構造を変更したことにより事業費を増額し、工事日程も変更しました。このため、今年度の予算から7,700万円を減額し、翌年度の工事に3億100万円の債務負担行為(※)を設定しました。これにより調整池設置工事は令和7年度まで継続することになります。
※債務負担行為…翌年度以降の支出を決定するための行為
〇 緊急安心電話相談窓口の設置 #7119
県消防保安課は、おおむね15歳以上を対象とした救急安心電話窓口「#7119」(シャープなないちいちきゅう)を設置しました。病院に行った方がいいのか、救急車を呼んだ方がいいのか迷ったときの電話相談窓口です。
- 対象区域…県内全域
- 設置時期…令和6年10月1日
- 設置時間…平日:18時~翌8時、土曜日:13時~翌8時、日曜・祝日:終日
- 相談員 …医師、看護師ほか
- 相談窓口の機能…医療機関の受診に関する助言、救急車要請の要否、医療機関案内など
おおむね15歳未満のこどもを対象とした「静岡こども緊急電話相談」
#8000では、こどもの急な発熱やけがなどで困っているとき、周りに相談できる人がいなくて不安なときに看護師や小児科医が電話でアドバイスします。こちらは24時間体制で相談に応じています。
〇 南海トラフ地震臨時情報の発表 7日分以上の備蓄を!
令和6年8月8日に、令和元年の制度開始後初めて、南海トラフ地震臨時情報が発表されました。これを受け、県は県民に対し「日頃からの地震の備えの再確認」及び「地震が発生したらすぐに避難するための準備」の呼びかけを行うとともに、1週間の警戒体制を配備しました。また、大規模地震に対する県民の防災意識や防災対策の実施状況等を把握するため、インターネットにより県民意識調査を実施しました。
食料、飲料水、携帯トイレ等の項目においても「備蓄をしていない」の割合が減少しましたが、本来望ましい「7日分以上」の備蓄をしている割合はいずれの項目でも減少しています。万が一に備え、7日分以上の備蓄をするようにしましょう。
〇 地震財特法の延長に関する意見書
東海地震対策を財政的に支援するための地震財特法(地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律)が令和6年度末(令和7年3月31日)に期限切れとなります。対象地域である8都県157市町村が予定している地震財特法対象事業が4,302億円(本県分1,778億円)あることから、地震財特法を延長するよう要望した意見書を全会一致で可決しました。本県の45か年(昭和55年度~令和6年度)の実績は1兆2,063億円になる見込みです。