県議会は3月18日、「県外で発生した大規模災害時の対応に関する決議」を全会一致で採択し、2月定例会を閉じました。これは、令和6年能登半島地震発生後の川勝知事の対応について、県民から不安の声が寄せられていることに応えるために行った決議です。
川勝知事は1月1日の地震発生時は軽井沢の自宅に滞在中でした。県内に被害が出ていないことを理由に静岡に戻ってきたのは1月4日です。この間、緊急消防援助隊、広域緊急援助隊警備部隊、災害派遣医療チームなど多くの職員が現地支援に赴いているにもかかわらず、軽井沢に居続けました。更に1月4日に行われた能登半島地震への対応を協議する「中部9県1市災害時等応援協定にかかる連絡会議」を欠席し、地元メディア主催の新年のつどいに参加しました。10市県で首長が出席しなかったのは静岡県だけです。この会議は単に事務的な処理を確認するものではなく、知事自らが静岡県は石川県をしっかり支援していくと誠意をもって発言すべき会議であったはずです。この判断に対して県民から非難や不安の声が上がっているにもかかわらず、自らの判断と行動は「支障はなかった」と言っているのです。
川勝知事は、昨年6月定例会で知事の不信任決議案が審議されたことを受け、7月の定例記者会見で「不適切な言動があったら辞めるということになっている」、「今度間違うようなことをして人様に迷惑をかければ辞職する」と発言しました。9月定例会では自民改革会議の坪内議員の質問に対し「もし不適切な発言があった場合にもう既に辞職勧告決議を頂いておりますから退路を断っております。したがってそうしたことが県民に迷惑をかけるというようなことになれば、これは辞職することを明言しその覚悟はできております」と答弁しています。
また、同定例会で「知事の給与の特例に関する条例」の審議に関して「不適切な発言があった場合には辞職するとの発言に責任を持つこと」と全会一致で付帯決議が付けられました。
知事は、この自らの発言と議会の決議に縛られ、過ちを認めることができなくなっているのではないでしょうか。昨年12月、総務委員会は川勝知事に「東アジア文化都市2023に関連し発展的に継承する拠点を三島市内に置きたい旨の知事の発言」に関し訂正を申し入れましたが、知事は訂正しませんでした。これを受け、本会議で全会一致で同じ内容の決議を行ったところ、知事は「今回の三島市内における東アジア文化都市の継承拠点の件は一旦立ち止まることにし白紙といたします」と発言を白紙撤回しました。訂正には応じず、白紙撤回したのです。過ちを認めたわけではありません。能登半島地震発生後の対応についてもしかりです。
さらに3月13日、サッカー女子なでしこ1部リーグの「静岡SSUボニータ」が知事を表敬訪問した際に、「磐田は浜松より文化が高い」、「藤枝東はサッカーボールを蹴ることが一番重要」などと特定の地域や学校を揶揄する発言をし、物議を醸しました。
自らの発言に縛られ過ちを認められない、保身に走るあまり言い訳を重ねざるを得ない状況になっています。これは県民に対しあまりにも不誠実であるとともに、静岡県にとっても多くの損失をもたらす行為ではありませんか。冒頭の決議のとおり「知事は、県民の生命と財産を預かる最高責任者であることを十分に自覚し、責任ある行動を取」ってほしいと思います。